2022年9月1日木曜日

9月 おこめ

 

カメムシと刈取り時期に注意!

出穂後防除(カメムシ発生地域必須防除)

 近年、カメムシによる斑点米の発生が多くなっています。斑点米は、カメムシ類が水稲の籾に口針を突き刺し、吸汁加害することにより発生します。
 原因は①温暖化による越冬数の増加や夏期の高温で好適な増殖環境となっている②品種がコシヒカリ等の作付けが多くなり気温の高い時期の収穫となっている③耕作放棄地の増加で雑草などのカメムシのすみかが増えている④病害虫の一斉防除(日を決めて地区全体で一斉に防除すること)ができにくい環境とった、などが挙げられます。
 今年も気温が高く雨の少ない、カメムシの増殖には好適な環境が続いていますので、斑点米の発生には十分注意し、カメムシが発生する地域では必ず適期に防除を行いましょう。

 




病害虫防除(10a当たり)

出穂後防除(カメムシ対策必須防除)
対象病害虫:カメムシ類・ウンカ類・ツマグロヨコバイ
 カメムシによる斑点米の発生防止のため、発生地区は必ず防除しましょう。


粒剤での防除

出穂から7〜10日以内
・アルバリン粒剤    3㎏
または
・スタークル豆つぶ 250g

 

粉剤・液剤での防除

出穂から10〜14日以内
・アルバリン粉剤DL  3㎏
または
・アルバリン顆粒水溶剤2000倍   150ℓ
(四剤ともに収穫7日前まで合計3回以内)

 

水管理

 落水が早いと登熟不良になるため、土壌水分を80%に保ち、刈取り3日前を目安に落水します。また、台風が来るときは深水にしておきます。

 

収穫

 刈り遅れると品質が低下するため、天候や面積を考慮しながら収穫を始め、収穫適期内に終わらせましょう。
 「あきたこまち」や「コシヒカリ」は出穂から30〜32日経った頃で、一株の最長稈の穂が80%程度まで黄化したら刈取ります。

     「にこまる」は出穂から42〜48日経った頃で、一株の最長稈の穂が85%程   度まで黄化したら刈取ります。









 

9月秋冬野菜

 適期に秋冬野菜の種をまいて、管理しよう!

播種時期を守り、湿害対策を行いましょう

 秋は気温の変化が大きいため、種まきが遅れると収穫時期が大幅に遅れてしまいます。結球不良やとう立ちを防ぐため、種まき時期や収穫時期の気温などを考慮して品種を選びます。
 水はけの悪い圃場では、あらかじめ圃場の外周に溝を切ったり、高畝を作ったり湿害対策をしておきましょう。


あらかじめの病害虫対策

 連作は避けるように圃場を選びましょう。特に、アブラナ科は連作すると土壌病害虫が多発する恐れがありますので、注意してください。土壌病害では根こぶ病に注意が必要です。
 害虫対策では、播種前・播種時に粒剤を土壌混和したり、定植時に粒剤を植え穴処理して、すぐに防虫ネットなどの資材を用いて被覆すると害虫の侵入や加害を防ぐのに効果的です。なお、葉などについている虫は、被覆前に殺虫剤で防除します。

〈アブラナ科作物に寄生する根こぶ病原菌〉

 糸状菌(カビ)の一種で、土壌中に休眠胞子の形で5〜10年間も生存するといわれています。土壌伝染性の病害であるため、土の移動によって汚染が拡大します。
 発病すると下の写真のようにこぶができ、日中しおれます。ひどくなるとキャベツは結球しないなど大きな被害がでます。

対策

①定植前に根こぶ病の薬剤(オラクル紛剤や顆粒水和剤)を土壌混和する防除法が一般的です。
②高畝栽培にして排水を良くし、多湿条件になるのを避けます。
③石灰や石灰チッソを施用し、pHを矯正します。
④アブラナ科の連作を避けるようにし、輪作体系のひとつとして、ダイコンなどを導入します。
(ダイコンもアブラナ科野菜ですが感染しても発病しないため、ダイコンを栽培することで根こぶ病菌の密度が下がります)


育苗して定植しよう

 キャベツやブロッコリー、ハクサイなどは育苗してから定植するほうが生育が安定し揃いが良くなります。
 育苗する場合は、木材などを下に置いたりカゴに乗せたりしてポットやトレイを地面から浮かせ、通風を良くします。潅水は通常毎朝1回、たっぷり行いましょう。
 乾きやすい夏場は適宜潅水しますが、夕方には表面が軽く乾く程度にして徒長を防ぎます。
 育苗中は寒冷紗や防虫ネットなどの素材で覆い、害虫の侵入防ぎましょう。
 育苗日数は30日前後で、本葉3枚前後で定植適期となります。老化苗は活着が悪くなるので、適期に定植しましょう。定植後はすぐに潅水し、活着をよくします。

直播き野菜はココに注意

ほうれんそう

 酸性土壌を嫌うので、種まきの3週間ほど前に石灰等で酸度矯正をしましょう。

にんじん

 種まきから発芽まで1週間以上かかるので、揃って発芽させるためには絶対に乾かさないようにしましょう。また、根菜類は土壌中に石や未熟な有機物があると根が二股になったり、割れたりするので、よく耕うんしておきましょう。

アブラナ科野菜(コマツナ、ダイコンなど)

 本葉がでるまで寒冷紗のトンネルをかぶせて発芽を揃えるよしましょう。キスジノミハムシの被害を受けやすいので、種まき前に粒剤を使用し、防虫ネットなどで被覆して害虫対策をしましょう。




茎ブロッコリー



 ブロッコリーを連続して収穫るためには、植付け時期を変えたり違う品種
を植えたりすることが必要となりますが、茎ブロッコリーは一株でも次々と花蕾を収穫することができるため、小さなスペースでも栽培できる家庭菜園向きの野菜の
ひとつです。
播種時期:8月上旬
定植時期:9月上旬
収穫時期:11月中旬〜
 

基肥(1a(100㎡)当たり)

・苦土石灰       12㎏
・化成肥料(1510ー10) 12

定植

・本葉3枚程度で定植します。
・畝幅135㎝、株間45㎝の2条千鳥植えとします。
・定植後は十分潅水をします。

追肥

・定植10日後に1a当たり化成肥料を2㎏施肥し、それ以降は1か月ごとに施します。

摘芯

・頂花蕾が2㎝程度になれば摘芯し、側枝の発生を促します。

病害虫防除

・定植後1か月程度は、ハイマダラノメイガやアオムシ、コナガ、ヨトウムシなどに注意しましょう。
・プレバソンフロアブル5   2000倍 (収穫前日まで3回以内)
・アニキ乳剤   2000倍 (収穫3日前まで3回以内)


タマネギ

 品種ごとに播種時期が異なります。適期より早播きすると大苗になり、とう立ちや分球を起こしやすくなるので注意が必要です。

苗床

 播種する30日前までに、1㎡当たり堆肥2㎏と粒状苦土石灰120g 、農協専用化成500を100g 施します。耕起と砕土した後は、畝幅120㎝の苗床を作り、土壌消毒をします。

播種(10a当たり)

 100g をすじ播きします。
 播種後は、完熟堆肥と無病の土を1対1で配合し、篩(ふるい)にかけながら5〜6㎜の厚さになるよう覆土します。潅水後は、種の見えるところは再び覆土し、乾燥を防ぐために苗床をラブシートや新聞紙で覆います。

育苗管理

 発芽までたっぷり潅水し、発芽後は乾燥させないように潅水します。
 1週間ほどで発芽が揃うため、徒長しないよう夕方にラブシート等を取り除きます。


















9月 秋じゃが

 

 春じゃがに比べて芋のでんぷん価が高くなり、ホクホク感のあるジャガイモがとれます。




栽培時期

 秋植えは9月上旬です。松山近辺であれば9月末まで植付けできます。


栽培のポイント

・良い種芋を選ぶこと。休眠の浅い品種(デジマなど)を使用 します。

・ジャガイモはナス科なので、ナス科の野菜とは連作してはいけません。

・気温の高い時期の植付けとなるため、黒マルチは使用しないでください。

・土寄せをしっかり行い、根元を保護します。


基肥(1a当たり)

・堆肥       500㎏

・園芸有機1号(8ー8ー8)15㎏

(有機化成やぼかし肥料を使うと芋の味が良くなります)

※土壌がアルカリ化すると「そうか病」が増えるので、一般野菜のような石灰類の施用は避けます。


種芋の準備・植付け

 種芋の大きさは40〜50g 程度のものが適切です。大きいようなら2つ切り、4つ切りにしてもかまいませんが、直接植付ける場合はできるだけ切らずに植えると腐敗が少なくなります。

高温乾燥時期の植付けは種芋が腐りやすいので、芽出しをして植えるのがおすすめです。

芽出しの方法

・8月下旬ごろに種芋を用意し、大きい種芋は50g 程度に切り分け、2日ほど日陰で乾かします。

・芽出しの土は、排水の良い 「川砂」「真砂土」を用います。

・底に穴をあけた発泡スチロール箱等に薄く砂を敷き、種芋 の切り口を下にして並べ、そ の上に芋が見えないくらいに 覆土し、軽く潅水します。

・涼しい木陰や軒先など風通しの良い場所に置きます。

・芽出し期間中の水は少なめで乾き気味でないと種芋が腐ります。

・芽が1〜2㎝ くらい(最長3㎝)で植えます。(芽出し期間7〜10日程度)



 


植付け

・日中を避け、気温・地温の低い朝方に行います。植付けの深さは種芋の上7㎝くらいとします。
・植付け後に雨が降らない場合は、水やりをすると出芽が早まり、収量が多くなります。



 




青空土男から9月の農作業アドバイス

 樹勢を維持して
 おいしい秋なすをたくさんとろう

松山長なす

 この時期は夏期の高温や生り疲れで樹勢が低下しやすくなります。下の絵を参考に、開花位置・花・実を見て樹勢の診断を行い、良好な状態を保ちましょう。

良好な樹勢とは

①葉が濃緑色で、開花位置より 先端に3〜4枚の展開葉がある。
②花の色が濃く、大きくて雌すいが長い。
③果実の伸びが早く、先端がややとがっている。

樹勢が不良の場合

 果実をなるべく若穫りし、化成等で追肥を行います。また、潅水により土壌が適湿となるよう管理しましょう。液肥の葉面散布(3〜4日間隔で3回以上)も即効性があります。





側枝の一芽切り返し剪定

 常に主枝に近いところに着果するので、品質の良い果実がとれます。また、実が着く数が制限されるので着果負担が少なく、栽培後半まで樹勢が安定しす。
 花の上の葉を1枚残して摘心し、主枝に近い芽だけ残しそれ以外の芽を取ります。実を収穫するときに主枝に近い芽のところで切り戻します。













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