2023年9月1日金曜日
9月 おこめの時間
Q 出穂後に気を付けることは?
原因① 温暖化による越冬数の増加や夏季の高温で好適な増殖環境となっている。
病害虫防除(10a当たり)
対象病害虫:カメムシ類・ウンカ類・ツマグロヨコバイ
刈り遅れると品質が低下するため、天候や面積を考慮して収穫を始め、収穫適期内(刈り取り適期から約6日間)に終わらせましょう。
9月 松山長なす
この時期は夏期の高温や生り疲れで樹勢が低下しやすくなります。開花位置・花・実を見て樹勢の診断を行い、良好な状態を保ちましょう。
良好な樹勢とは
①葉は濃緑色で開花位置より先端に3~4枚の展開葉がある。
②花の色が濃く、大きくて雌すいが長い。
③果実の伸びが早く、先端がやや尖る。
樹勢が不良の場合の対策
果実を若穫りし、化成肥料等で追肥を行います。また、土壌が適湿になるように潅水しましょう。液肥の葉面散布(3~4日間隔で3回以上)も即効性があります。
病害虫防除
褐色腐敗病
・ホライズンドライフロアブル 2500倍
(収穫前日まで3回以内)
灰色かび病・菌核病・すすかび病・うどんこ病
・アフェットフロアブル 2000倍
(収穫前日まで3回以内)
オオタバコガ・ハスモンヨトウ・ミナミキイロアザミウマ
・プレオフロアブル 1000倍
(収穫前日まで4回以内)
アブラムシ類・コナジラミ類・ミナミキイロアザミウマ
・ベストガード水溶剤 1000倍
(収穫前日まで3回以内)
側枝の一芽切り返し剪定
①花の上の葉を1枚残して摘心②主枝に近い1芽だけ残してそれ以外の芽を取る
③実を収穫するときに主枝に近い芽の所まで切り戻す。
着果数が制限されるため、後半まで樹勢が安定します。
9月 スティックカリフラワー
一般的なカリフラワーより花梗が細長く分岐します。長く伸びた花茎は、軟らかくほんのり甘みがあり、生で食べてもおいしい野菜です。サッとゆでると甘みがより強くなり、スティックサラダやバーニャカウダで手軽に楽しめるスティック野菜です。
品種名:カリフローレ
播種時期:8月上旬
定植時期:9月上旬
収穫時期:11月下旬
花蕾が次の写真くらいになったら収穫します。
元肥(1㎡当たり)
・苦土石灰 120g
・化成肥料(15-10-10) 120g
定植
・畝幅90cm、株間35cmの1条植えか、畝幅130cm、株間35cmの2条千鳥植えとします。
追肥と土寄せ
・定植20日後に化成肥料を1株当たり10g施肥し、中耕土寄せを行います。2回目の追肥はその20日後に同量施肥します。
病害虫防除
・定植後1か月程度は、ハイマダラノメイガ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどに注意しましょう。
9月 茎ブロッコリ―

ブロッコリ―を連続して収穫するためには、植付け時期を変えたり違う品種を植えることが必要となりますが、茎ブロッコリーは一株でも次々と花蕾を収穫することができるため、小さなスペースでも栽培できる家庭菜園向きの野菜のひとつです。
播種時期:8月上旬
定植時期:9月上旬
収穫時期:11月中旬
元肥(1㎡当たり)
・苦土石灰 120g
・化成肥料(15-10-10) 120g
定植
・畝幅90cm、株間45cmの1条植えか、畝幅135cm、株間45cmの2条千鳥植えとします。
・定植後は十分潅水をします。
追肥
・定植10日後に化成肥料を1株当たり10g施肥し、それ以降は1か月ごとに施用します。
摘芯
・頂花蕾が2cm程度になれば摘芯を行い、側枝の発生を促します。
病害虫防除
・定植後1か月程度は、ハイマダラノメイガ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどに注意しましょう。
9月 秋じゃが
春じゃがに比べてイモのでんぷん価が高くなり、ホクホク感のあるジャガイモが穫れます。
栽培時期
秋植えは、9月上旬です。松山近辺であれば9月末まで植付けできます。
栽培のポイント
〇良い種イモを選ぶこと。休眠の浅い品種(デジマなど)を使用する。
〇ジャガイモはナス科なので、ナス科の野菜とは連作しない。
〇気温の高い時期の植付けとなるため、黒マルチは使用しない。
〇土寄せをしっかり行い、根元を保護する。
元肥(1a当たり)
〇堆肥 300kg
〇園芸有機1号(8-8-8) 15kg
(有機化成やぼかし肥料を使うと芋の味が良くなります)
※土壌がアルカリ化すると「そうか病」が増えるので、一般野菜のような石灰類の施用は避けます。
種芋の準備・植付け
種芋の大きさは40~50g程度のものが適切です。大きいようなら2つ切りに、4つ切りにして用いてもかまいませんが、直接植付ける場合はできるだけ切らずに植えると腐敗が少なくなります。高温乾燥時期の植付けでは種芋が腐りやすいので、芽出しをして植えるのがおすすめです。
芽出しの方法
・8月下旬ごろに種芋を用意し、大きい種芋は50g程度に切り分け、2日ほど日陰で乾かします。
・芽出しの土は、排水の良い「川砂」「真砂土」を用います。
・底に穴をあけた発泡スチロールなどに砂が抜けないように新聞紙等を敷いてから薄く砂を敷き、種芋の切り口を下にして並べ、その上に芋が見えないくらいに覆土し、軽く潅水します。
・涼しい木陰や軒先など風通しの良い場所に置きます。
・芽出し期間中の水は少なめで乾き気味でないと種芋が腐ります。
・芽が1~2cmくらい(最長3cm)で植えます。(芽出し期間7~10日程度)
植付け
・日中を避け、気温・地温の低い朝方に行います。根付の深さは種芋の上7cmくらいとします。
・植付け後に雨が降らない場合は水やりをすると出芽が早まり、収量が多くなります。
9月 タマネギ
品種ごとに播種時期が異なります。適期より早播きすると大苗になり、とう立ちや分球を起こしやすくなるので注意が必要です。
作型
苗床
播種する30日前までに1㎡当たり堆肥2kgと粒状苦土石灰120g、農協専用化成500を100g施します。耕起と砕土した後は、畝幅120cmの苗床を作り、土壌消毒をします。土壌消毒することで立枯れ病の予防や雑草が生えなくなります。
土壌消毒農薬
・バスアミド微粒剤(劇物)
・NSC など
播種(10a当たり)
100gをすじ播きします。播種後は、完熟堆肥と無病の土を1対1で配合し、篩にかけながら5~6mmの厚さになるよう覆土します潅水後は種の見えるところは再び覆土し、乾燥を防ぐために苗床をラブシートや新聞紙で覆います。
育苗管理
発芽までたっぷり潅水し発芽後は乾燥させない程度に潅水します。
1週間ほどで発芽が揃うので、徒長しないように夕方にラブシート等を取り除きます。
※赤字の農薬は、毒物劇物農薬に該当します。
ご購入には印鑑が必要ですのでご持参ください。
9月 やさいの時間
Q 秋冬野菜で気を付けることは?
A 播種時期を守る事と事前の病害虫防除
秋冬野菜の栽培のポイント
〇播種時期を守り、湿害対策を行いましょう。秋は気温の変化が大きいため、種まきが遅れると収穫時期が大幅に遅れてしまいます。結球不良やとう立ちを防ぐため、種まき時期や収穫時期の気温などを考慮して品種を選びます。水はけの悪いほ場では、ほ場の外周に溝を切ったり、高畝を作り湿害対策をしておきましょう。
〇あらかじめの病害虫対策を心がけましょう。連作は避けるように作付け計画を立てましょう。特にアブラナ科は連作すると土壌病害虫が多発する恐れがありますので、気を付けましょう。土壌病害では、根こぶ病に特に注意が必要です。
〈害虫の対策〉
播種前・播種時に粒剤を土壌混和します。育苗する物は定植時に粒剤の植穴処理や、灌注処理します。防虫ネットなどで被覆すると害虫の侵入や加害を防ぐために効果的です。なお、葉などについている虫は、被覆前に殺虫剤で防除します。
〈アブラナ科作物の根こぶ病対策〉
〈写真提供:JA全農えひめ〉
病原菌は糸状菌(カビ)の一種で土壌中に休眠胞子の形で5~10年間生存し、アブラナ科植物にのみ寄生します。発病すると写真のように根にこぶができ、日中萎れます。ひどくなるとキャベツは結球しないなど、大きな被害がでます。土壌伝染性の病害であるため、土の移動によって汚染が拡大します。
【対策】
①定植前に根こぶ病の薬剤(オラクル粉剤や顆粒水和剤)を土壌混和する防除法が一般的。
②高畝栽培にして排水を図り、多湿条件になるのを避ける。
③石灰や石灰窒素を施用し、PHを矯正する。
④アブラナ科の連作を避けるようにすることや、輪作体系のひとつとして、大根などを導入する。(大根もアブラナ科野菜ですが感染しても発病しないため、大根を栽培することで根こぶ病菌の密度が下がります)
育苗や定植のポイント
キャベツ、ブロッコリー、ハクサイなどは育苗してから定植すると生育が安定し揃いが良くなります。
育苗する場合は木材などを下に置いたりカゴに乗せたりしてポットやトレイを地面から浮かせ、通風を良くします。潅水は、通常毎朝1回、たっぷり行いましょう。乾きやすい夏場は適宜潅水しますが、夕方には表面が軽く乾く程度にして徒長を防ぎます。育苗中は寒冷紗や防虫ネットなどの素材で被い、害虫の侵入を防ぎましょう。育苗日数は30日前後で、本葉3枚前後で定植適期となります。老化苗は活着が悪くなるので、適期定植しましょう。定植後はすぐに潅水を行い、活着をよくします。
直播きする野菜のポイント
ア ほうれんそう
酸性土壌を嫌うので、種まきの3週間ほど前に石灰等で酸度矯正しましょう。
イ にんじん
種まきから発芽まで1週間以上かかるので、揃って発芽させるためには発芽まで絶対に乾かさないようにしましょう。また、根菜類は土壌中に石や未熟な有機物があると根が二股になったり、割れたりするのでよく耕うんしておきましょう。
ウ アブラナ科野菜(コマツナ・ダイコンなど)
本葉がでるまで寒冷紗のトンネルをかぶせて発芽を揃えるようにしましょう。大根はキスジノミハムシの被害を受けやすいので、種まき前に粒剤を使用するか、防虫ネットなどで被覆して害虫対策をしましょう。
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