2023年9月1日金曜日

9月 やさいの時間

Q 秋冬野菜で気を付けることは?
A 播種時期を守る事と事前の病害虫防除


秋冬野菜の栽培のポイント

〇播種時期を守り、湿害対策を行いましょう。秋は気温の変化が大きいため、種まきが遅れると収穫時期が大幅に遅れてしまいます。結球不良やとう立ちを防ぐため、種まき時期や収穫時期の気温などを考慮して品種を選びます。水はけの悪いほ場では、ほ場の外周に溝を切ったり、高畝を作り湿害対策をしておきましょう。
〇あらかじめの病害虫対策を心がけましょう。連作は避けるように作付け計画を立てましょう。特にアブラナ科は連作すると土壌病害虫が多発する恐れがありますので、気を付けましょう。土壌病害では、根こぶ病に特に注意が必要です。
〈害虫の対策〉
播種前・播種時に粒剤を土壌混和します。育苗する物は定植時に粒剤の植穴処理や、灌注処理します。防虫ネットなどで被覆すると害虫の侵入や加害を防ぐために効果的です。なお、葉などについている虫は、被覆前に殺虫剤で防除します。
〈アブラナ科作物の根こぶ病対策〉

〈写真提供:JA全農えひめ〉


病原菌は糸状菌(カビ)の一種で土壌中に休眠胞子の形で5~10年間生存し、アブラナ科植物にのみ寄生します。発病すると写真のように根にこぶができ、日中萎れます。ひどくなるとキャベツは結球しないなど、大きな被害がでます。土壌伝染性の病害であるため、土の移動によって汚染が拡大します。

【対策】

①定植前に根こぶ病の薬剤(オラクル粉剤や顆粒水和剤)を土壌混和する防除法が一般的。
②高畝栽培にして排水を図り、多湿条件になるのを避ける。
③石灰や石灰窒素を施用し、PHを矯正する。
④アブラナ科の連作を避けるようにすることや、輪作体系のひとつとして、大根などを導入する。(大根もアブラナ科野菜ですが感染しても発病しないため、大根を栽培することで根こぶ病菌の密度が下がります)

育苗や定植のポイント

キャベツ、ブロッコリー、ハクサイなどは育苗してから定植すると生育が安定し揃いが良くなります。
育苗する場合は木材などを下に置いたりカゴに乗せたりしてポットやトレイを地面から浮かせ、通風を良くします。潅水は、通常毎朝1回、たっぷり行いましょう。乾きやすい夏場は適宜潅水しますが、夕方には表面が軽く乾く程度にして徒長を防ぎます。育苗中は寒冷紗や防虫ネットなどの素材で被い、害虫の侵入を防ぎましょう。育苗日数は30日前後で、本葉3枚前後で定植適期となります。老化苗は活着が悪くなるので、適期定植しましょう。定植後はすぐに潅水を行い、活着をよくします。

直播きする野菜のポイント

ア ほうれんそう
酸性土壌を嫌うので、種まきの3週間ほど前に石灰等で酸度矯正しましょう。
イ にんじん
種まきから発芽まで1週間以上かかるので、揃って発芽させるためには発芽まで絶対に乾かさないようにしましょう。また、根菜類は土壌中に石や未熟な有機物があると根が二股になったり、割れたりするのでよく耕うんしておきましょう。
ウ アブラナ科野菜(コマツナ・ダイコンなど)
本葉がでるまで寒冷紗のトンネルをかぶせて発芽を揃えるようにしましょう。大根はキスジノミハムシの被害を受けやすいので、種まき前に粒剤を使用するか、防虫ネットなどで被覆して害虫対策をしましょう。



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