2024年8月1日木曜日

8月 やさいの時間

 

Q 今年の夏も暑い?気を付けることは?

 
A エルニーニョ現象の影響で、猛暑日が増える予想! 資材の活用や潅水で、野菜を暑さから守ろう!


農作物の高温障害とは

高温障害とは、気温の高さや強光によって農作物の生育に悪影響が及び、品質や収量の低下が起こることを指します。具体的には、野菜では結球性葉菜類(キャベツなど)の小球化、根菜類の肥大不足、トマト・メロンなど果菜類の糖度不足、カボチャ・スイカなどの果実の日焼けがあげられます。花きでは短径、奇形果、花色不良、花飛びなどの症状が現れ、果樹では高温に伴う強光で果実が日焼けし、モモなどでは果肉障害が発生し品質が低下します。
高温障害の発生メカニズムについては不明な点が多いと言われていますが、高温により光合成能力が低下すること、呼吸量が増加し消耗が多くなること、代謝が異常になることなどが原因になっているものと考えられています。また、地温の上昇や土壌水分の不足、虫害や病害の発生も、品質や収量の低下に関連していると考えられます。

野菜の高温障害予防策

その1 地温上昇を抑える資材を利用

地温上昇抑制資材にはわら(麦わら・稲わら)、白黒マルチ(上が白)などがあります。キュウリ・トマト・ナス・ピーマンの地温の適温は20℃前後です。土壌表面の温度上昇を抑制することができれば、同時に土壌の水分量低下を抑えることができます。
※畝間の溝にも根は伸びているので、畝間にもわらなどを敷くと土壌の乾燥から根を守り、地温も上がりにくいため生育が安定します。

その2 潅水で土壌水分量を調整

高温の状態化では、蒸散量が増えます。朝・夕に潅水し、土壌の水分管理を徹底しましょう。特に曇りがちな天気で雨が降った後に晴れ上がる場合には、葉や茎が萎えやすいので、早めに潅水しましょう。萎れがひどい場合は、葉っぱに霧吹きなどで水を吹きかけるのも効果的です。
〈作物が大きくなってからの一日あたり潅水量の目安〉
トマト・ミニトマト・・・1~2ℓ/株
キュウリ・・・2.5~3ℓ/株
ナス・・・1.5~3ℓ/株
ピーマン・・・2~3ℓ/株

※トマトは、ほかの野菜より潅水量はいりません。ナスの潅水量に幅があるのは、根が乾燥にも強いためで、収量を上げるには潅水量を多くします。


その3 カボチャ・スイカ果実の日焼け対策

果実に直射日光が長時間当たり続けると日焼けして皮が白くなり、見た目が悪くなるだけではなくそこから腐敗してりして品質が著しく低下します。対策としては、葉を被せたり、わらや新聞紙で覆ったりしますが、果実に貼って使う「かぼちゃまもるテープ」という白色の紙テープも商品化されています。

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